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 旅轍〜たびてつ(音と写真で綴る鉄道旅行記)

各レポート目次は下にあります。




キハ581523 山田線(箱石〜陸中川井間) 3648D快速リアス 2005.08.30
僕が幼かったあの頃。
鉄道は、今よりずっと、力強くて、大きくて、頼もしく見えた。
街の大きなターミナルへ行くと、多くのスターに逢えた。
485、82、153、165、455、58、28・・・。
あのEF58も、ホームの片隅で、よく居眠りをしていた。
暗くなっても、次から次へとやってくる、スター達。
まん丸くて、愛らしい20系。少し大人ぶった14系、24系。
そして・・・。
九州の田舎へ帰る時、よく乗った583。随分大きく見えた。

州でも、今では絶対に見ることさえ叶わない連中が、多く居た。
キハ10、16、17、そして、都落ちの55。かつてのスター達だ。
20、52は、居て当たり前。28、58、65なんて走っていて当たり前。
そこにある事に、何の違和感もなく、存在が肯定されていた時代。
カラコロカラコロ。キハの鼓動。
グワァァァーッ。キハの雄叫び。
姿や色は違えど、どのキハも面白いように同じ音。当たり前だった。
プォォォーン。
駅から随分離れていた家に居ても聞こえて来る、あの、懐かしいタイフォン。
長閑な、少し間の抜けた、でも、ホッとする音。信頼の証。




中央西線(倉本) 長野県木曽郡上松町 2005.09.12



キハ581022+キハ282371+キハ471516 磐越西線(五十島〜三川) 
9224D快速磐西只見ぐるり一周号 2005.10.29
鉄道を愛する気持ちは、昔も今も変わらない。だけど・・・
鉄道は今、苦境に立たされている。これは地方ほど顕著だ。
僕は思う。
国鉄が民営化された頃から、情緒と言うものが、感じられなくなった。
全てを否定はしない。でも、今の鉄道に、何故か魅力を感じない。
自動車に、そして飛行機に押され、それでも生きていかなければならない鉄道。
合理化の波が押し寄せ、かつて鉄路を闊歩した盟友達は姿を消し、気が付けば・・・
居て当たり前のモノが、そうではなくなっていた。
衰退し、姿を変えていく鉄道を受け入れず、目を背けていた。
今、僕はとてつもなく後悔している。
永い人生の、ほんの少し、僅かの間だった。でも、時間はどんどん過ぎて行く。
気が付けば、そこに居た全てが、消えていた。
時間は待ってはくれない。現実を受け入れなくてはならない。
国鉄という過去の栄光。そして、国鉄と共に生きた仲間達。
彼らは今、急速に姿を消し、終焉を迎えようとしている。
最期のチャンス。世話になった彼らに別れを告げる時。

自分の気持ちを整理して、気持ちよく彼らを見送る為に、
まるで何かに取り憑かれたように、北を目指した。
愛しい仲間達に別れを告げる為、これが最期のチャンス。
訪問地 取材日
盛岡で出会った老兵達。山田線/岩泉線 その1 2005.8.30
盛岡で出会った老兵達。山田線/岩泉線 その2 2005.8.30

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